金子勝氏講演会

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練馬グリーンエネルギー講演会

金子勝先生にきく 自然エネルギーによる地域づくり

2014年12月5日 於 練馬区立区民・産業プラザ 研修室2

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3.11 以前から原発に依らない経済を提唱し、メディアへの出演も多い経済学者、金子勝慶應義塾大学教授に「福島の環境回復こそが日本経済回復の道」「地域分散ネットワーク型システムにより真の地方創生を」との持論を存分に語っていただきました。
福島で起きていることは「史上最大の環境汚染問題」だが、「先端環境技術を使えば環境回復は可能」と断言する金子先生。
基本となるのは、汚染物質の濃縮・隔離、減容とリサイクル。セシウム回収型焼却炉による放射性物質の濃縮・隔離などの実証実験を紹介しつつ、「地域住民が計画段階から参加して、地域ごとに分散して隔離施設をつくり、減衰を待つ。安かろう悪かろうが一番いけない」。
困難と見られている森林除染も、無人ロボットによる伐採や腐葉土の除去が可能で、すでに南相馬で実証実験済み。これを使って森林バイオマス発電を行い、セシウム回収型焼却炉を活用した汚染土のリサイクルとも並行しながら30年くらいかけて森林除染事業に取り組むことなどが提案されました。

●何が解決を妨げているのか?

「こうした先端技術を活用すれば、福島の環境を回復する方法はある。にもかかわらず解決を妨げているのは、東電救済最優先のあり方」と金子先生。東電という巨大な不良債権問題は日本経済の矛盾の集約点であり、「そのしわ寄せが福島に集中している。福島の環境回復を実現するには、無責任体制の壁を越えて行かなければならない。それなしにはエネルギー転換と新しい産業構造への転換も不可能となり、日本の未来が失われていく」と警鐘を鳴らします。

●「地域分散ネットワーク型」システムへ

20世紀の重化学工業を軸にした「集中メインフレーム型」から21世紀「地域分散ネットワーク型」へ。それが、クラウド(スパコン)とICT(情報通信技術)の発達によって、いま世界が進んでいる方向――と前置きし、次のような青写真が提示されました。
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食と農業・エネルギー・社会福祉を軸にして経済成長させるという考え方があるが、これはスパコンとICTの発達により、この分野が一気に先進的・先端的に様変わりすることを意味する。
エネルギー分野では、再生可能エネルギーとスマート化による省エネが進むだろう。従来、再生可能エネルギーは不安定で効率的でないと言われてきたが、ITCの発達によって、むしろ効率的で安定的なシステムになりえる。
将来の送配電網は、ICT技術を駆使した双方向的な「スマートグリッド」になる。これには風力・日照時間などの気象予測システムが組み込まれて再生可能エネルギーなどの発電量が予測され、無駄なく電力を調整することができるようになる。

何より重要なのは、地域の中小企業・農業者・市民が出資して、自らの地域資源を活かしてどのような再生可能エネルギーに投資するかを自ら決定し、その売電収入が地域に返ってくる点。それは国からもらう補助金ではなく、地域の自立をもたらす。
農業分野も、環境や安全という社会的価値を基軸に置きながら6次産業化によって経営していくことが、ICTの革新により小規模農業にも可能となる。
6次産業化にエネルギー兼業農家を組み合わせれば、農家経営も安定化していくだろう。遺伝子組み換え作物を植え、ヘリコプターや飛行機で大量に農薬をばらまく大規模農業に対抗することも可能になる。
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竹村英明氏も交えた質疑応答

「中央からの工場誘致や公共事業に依存した集中メインフレーム型の産業構造はもはや限界。技術の発展とともに地域分散ネットワーク型へと転換していくことで、疲弊した地域経済も再生する」と金子先生。
創エネと省エネによるエネルギー転換の先には新しい地域社会像が見えてくることが確信でき、会場は大いに盛り上がりました。

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日時: 2014年12月5日(金)19時~21時 (開場 18時30分)

会場: 練馬区立区民・産業プラザ 研修室2

練馬駅北口出てすぐ Coconeri 3F  (練馬区練馬1-17-1)

参加費:当日 1000円  前売り・予約 900円

 

 

 

◆ 講演者プロフィール ◆

金子勝 かねこ・まさる

慶應義塾大学経済学部教授。1952 年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科単位取得満期修了。専門は、制度経済学、財政学、地方財政論。3.11 以前から脱原発を主張し、3.11 以降も、テレビ、新聞、全国講演会で、経済的な観点から原発の不要性を訴え、脱原発での社会のあり方を訴え続けている。著書に『原発は不良債権である』(岩波書店)『「脱原発」成長論:新しい産業革命へ』(筑摩書房)など多数。最新刊は『儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ』( 集英社新書)。

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